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2014年8月17日 (日)

看護師の特定行為

臨床工学技士の業務に深く係わりそうな事例で、今後も注視が必要だと思いましたので、備忘録として書き込ませて頂きます。


6月18日に医療介護総合推進確保推進法が成立た。これにより保健師助産師看護師法が改正されることになり、「特定行為に関わる看護師の研修制度」の創設が決まった。特定行為の内容や区分、研修内容など具体的な検討が進められ、2015年10月から施行されることになった。


経緯に関する記事:「特定看護師」最終案…チーム医療の要 骨抜き」
医師の具体的な指示なしで、気管挿管など高度な知識や技能が必要な医療行為(特定行為)ができる「特定看護師」の最終的な制度案がまとまった。日本医師会などの反対で二転三転し、推進派が「骨抜きにされた」と自嘲する最終案。導入を待ち望む医療現場からも改善を求める声が上がるほか、安全対策もいまだ明確ではなく、課題は山積だ。
 厚生労働省の検討会「チーム医療推進会議」は29日、3年半にわたる議論の末、作業部会が報告した特定看護師の制度案を了承した。来年の通常国会に「保健師助産師看護師法改正案」が提出され、通過後に設置される同省の審議会が同案をたたき台に制度を固める。
 最終案では、気管挿管や抗けいれん薬の投与など、これまで多くの場合に医師が行ってきた41種類の医療行為を「特定行為」に選定。分野ごとに14区分に分けた。「特定看護師」は、あらかじめ医師が指示した手順に従い、患者の容体を自分で判断しながら特定行為を実施できる。厚労省が区分ごとに指定した研修機関で、指定研修を受講することを義務づけるとした。
 元々、特定看護師は、高齢化や医療技術の高度化で医療スタッフの仕事量が限界を迎える中、打開策として国が推進するチーム医療の橋渡し役として導入が決まった。医師不足も後押しし、医師が手薄な在宅医療や高齢者施設などで、医師不在でも医療処置や薬の投与を行うことが期待される。
 だが議論は、日本医師会、日本薬剤師会ら医療職団体の反発で曲折が続いた。先進諸国では診療や開業、薬の処方、麻酔まで行える看護師が医師と対等に活躍しており、医療界では「既得権益を守ろうとする力が働いた」との見方が専らだ。
 当初、国の資格として検討された制度は、「能力を国が認証する制度」に変わり、「特定看護師」の名称も削除。その後、「認証」さえも資格に近いとして、「研修制度」に変更された。
 さらに、当初は「老年」や「慢性期」など領域ごとに必要な医療行為を幅広く学ぶ制度が考えられていたが、最終案では訓練する特定行為を小さな区分に細切れにした。職場や患者全体を見渡しながら自立的に動く看護師というよりは、特定分野の技術に長たけた看護師を育てる制度に矮小わいしょう化された格好だ。
 高齢化の進む首都圏で、在宅医療を推進するための事業を進めている元厚労次官の辻哲夫氏は、「いわば狭い分野の熟練工を育てるようなこの制度では、看護師単独で慢性期や終末期といった幅広い状況に対応しなければならない在宅医療で、真に期待される看護師は育たない」と懸念する。
 また、今回示された「特定行為」は、一連の議論の中で一般の看護師も医師の具体的な指示があれば、実施できることになった。その場合の研修は努力義務とされ、具体的な安全対策は全く議論されなかった。
 国のモデル事業として先行して、「特定行為」を実施する看護師は、「一部の手技を中心に訓練した看護師や一般看護師が医学的な判断ができないまま高度な医療行為を実施できることになり、危険」と疑問を抱き、別の病院で同様に働く看護師も「医師や他の職種との橋渡し役になるには、医師と共通言語を持てるよう専門訓練が必須。すべての看護師に特定行為を開くことで、制度の信頼性が揺らぐことが不安」と語る。
 妥協を繰り返してきた日本看護協会などの推進派は「小さく生んで大きく育てる」と釈明する。だが、安全性に不安が残るこの制度がこのまま始まれば危険にさらされるのは患者で、チーム医療の要にという本来の目的も失われかねない。制度を固める今後は、患者や医療の未来を見据えた議論に立ち返るべきだ。(医療部 岩永直子)(2013年11月6日 読売新聞)
「診療の補助における特定行為(案)」
http://www.nurse.or.jp/nursing/tokutei/pdf/20-3.pdf

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