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2017年6月28日 (水)

加計学園問題に思う臨床工学技士の需給予測

不誠実、隠ぺい、権力の横行と反応する人も居れば、政権批判の材料として過剰に煽っているだけ、とシラケている人も居ます。価値観の違いをうまく整えるのは民主主義政治にとって、最大の難関課題というべきでしょうか。この話題に踏み込むのは炎上誘発などのリスクを伴いますので差し控えますが、この問題を臨床工学技士に置き換えて考えてみたいと思います。

獣医師は52年間に渡って養成校を増やして来なかったことは周知の事実です。「既得権益」がキーワードとなっていますが、なぜ既得権益となるのか?増やし過ぎると過当競争が激化した結果収入減につながるからと、一部の報道では語られています。これは、人獣共通感染症の防止に務めるいわゆる公務員獣医師ではなく、小動物を扱うペットショップなどを対象とした発想だと思われます。ここで忘れてはならないのは、ペットショップは「自由診療」であることです。自由診療であるからこそ過当競争が発生し、品質の向上や価格の低下など、消費者としては恩恵を受ける結果となります。

この事実について是非を語るつもりはありませんが、「会員の職業と生活を守る」ことが職能団体の目的である以上、獣医師会はその責任をしっかり果たしていると言えるのではないでしょうか。以下、日本獣医師会のホームページをからの引用です。
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(1)2040年の需給見通し
ア 現状値推計においては、ほぼ全体需給は均衡する。
イ 犬・猫の診療回数が10%から20%伸びる場合、1,600人から3,500人程度獣医師が不足する。
ウ 一方、犬・猫の診療の効率化を勘案した場合、
①診療回数が現状値で推移した場合、1,000人から1,300人程度獣医師が過剰となる。
②犬・猫の診療回数が伸びる場合、10%の伸びで需給は均衡するが、20%の伸びで1,900人程度獣医師が不足する。
エ 産業動物診療獣医師の不足が発生する。また、畜産分野、公衆衛生分野の公務員獣医師の確保が困難化する。
(2)今後の取り組み
ア 獣医師の活動分野間、地域間の偏在の是正は、今後検討する基本方針の策定に反映されるべき
イ 今後の情勢によって獣医師の需給は変化する。今後とも需給見通しの策定を行い、需給の動向を慎重に見極める必要がある。
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一方、臨床工学技士に関わる費用は自由診療ではありません。費用の大部分は政府の負担、即ち国民から徴収した税金から支払われています。親方日の丸だから安心!などと言ってはいられません。当然のことですが政府の歳出は限りがあり、その中で様々な問題解決と要望に応える必要があります。いわゆるパイの奪い合いなのです。臨床工学技士の診療報酬が僅かしか与えて頂けていない現状は、評価が与えられていないことに他なりません。繰り返します。一生懸命仕事をしているのに対価として評価されていないのです。

本題はその事ではなく、需要と供給のバランスについてです。臨床工学技士免許の取得者数は平成28年末で41533名、養成校は現在79校あります。圧倒的に血液浄化関連で業務を行う臨床工学技士ですが、以前にも述べたように今後透析患者さんは減少に転じることが明らかな状況で、このまま資格取得者が増え続けて需給バランスは整うのでしょうか。
Kazu
今後、臨床工学技士供給体制を継続して拡大するには、それに見合った需要の拡大を図る以外手はありません。医師や看護師不足を補う手術室や集中治療室、在宅医療、発展途上国への海外などへ展開を図るべきと考えますが、まずはそれに見合った”質”を確保することが必要です。現在はまさに大きな転換期の入口と考えられ、早急に質の向上を整備すべきと考えます。

質の向上と共にすべきことがあります。それは臨床工学技士の需要と供給の実態と将来予測です。供給体制についてはある程度整っていますが、需要については明示できるものが存在しません。先に述べた展開分野などを鑑み、将来の需給見通しを策定する必要があると、加計問題の本質とは異なる論点を感じた次第です。

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